園芸学会雑誌
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培地の糖濃度および水ポテンシャルがウンシュウミカン培養砂じょうの糖集積に及ぼす影響
向井 啓雄高木 敏彦岩谷 真和原田 久
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2001 年 70 巻 2 号 p. 238-243

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抄録

ウンシュウミカン砂じょうを糖濃度および水ポテンシャルの異なるMS寒天培地に植え付け, 砂じょうの発達および糖集積に及ぼす影響を調査した.1. スクロース5%培地では砂じょうの肥大生長は促進されるものの糖の集積は緩慢であった.スクロース10%培地では砂じょうの肥大と糖集積がみられたが, その程度は樹上果実に比べるとやや劣った.また, 培養途中で糖濃度の異なる培地に継代培養を行うと, 培地の糖濃度と連動して砂じょうの糖含量は増減した.水ポテンシャルを一定として, 培地糖濃度を変化させた場合においても培地の糖濃度の上昇に伴い, 砂じょうの糖含量が増加した.2. 培地の糖濃度を一定として水ポテンシャルを変化させた場合, 水ポテンシャルが低いほど砂じょうの肥大生長は抑制される傾向を示し, 砂じょうの糖集積は促進された.しかし, 糖組成においては一定の傾向がみられなかった.また, 培養途中で異なる水ポテンシャル培地で継代培養した場合もほぼ同様な結果であった.

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