環境化学
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誘導結合プラズマ質量分析法による新潟県近辺海域における海藻試料中の希土類元素の定量
狩野 直樹青柳 良隆今泉 洋
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2001 年 11 巻 2 号 p. 221-231

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抄録

新潟県内の近年における海洋環境の動態ならびに海洋における希土類元素の挙動に関する知見を得るため, 新潟県の各海岸で採取した多種類の海藻試料について, ICP-MSを用いて希土類元素の定量を行い, その希土類元素パターンを解析した。その結果, 海藻試料中の希土類元素濃度および希土類元素パターンは, 緑藻, 褐藻, 紅藻という植物門の違いのみならず種によっても, また採取場所によっても大きな変動が見られた。さらに, いくつかの海藻試料の希土類元素パターンにおいては, Ce, Euの異常の他, Ybの負の異常も見られた。こうした海藻の希土類元素パターンは, 海洋環境の動態および海洋における希土類元素の挙動を調べるトレーサーになりうる可能性が示唆された。

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© 日本環境化学会
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