園芸学会雑誌
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甘果オウトウの花芽雌ずいにおける低温での障害発生の温度条件
金田 美奈子原 慶明鈴木 隆白石 卓夫
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2001 年 70 巻 4 号 p. 516-518

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抄録

本研究は, 開花期の甘果オウトウの花芽雌ずいが褐変化する温度条件の決定を目的とし, 凍結の有無, 花芽サイズ, および花芽温度と雌ずいの障害度合について相関を調べた.-1.5℃以下まで冷却された花芽の約半数が, 凍結を開始した.内部温度-1.5∿-2.5℃で凍結過程にある花芽の雌ずいは, 30∿40%が褐変した.しかし凍結しない場合でも, -1.5℃以下まで冷却され1∿2時間経過した花芽の雌ずいは褐変し, 雌ずいの褐変化は凍結によってだけでなく, 氷点以下の非凍結状態でも引き起こされることが判明した.この凍結によらない雌ずいの褐変は, 未成熟な花芽ほどより顕著であり, 生育に伴う何らかの構造的・生理的変化によって支配されることが示唆された.

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