川越市下の若年者3, 886名を対象に, 口腔清掃の習慣や歯周疾患に関する自覚症状等についての問診表による意識調査と, プラークの付着, 歯石の沈着, 歯肉の炎症, う蝕, 歯列不正およびプロービングデプスについての口腔内診査を行い, 両者の関連性について検討した。
1.意識調査の結果, 歯磨きの回数については, 83.1%の者が毎日複数回歯を磨く等, 口腔清掃の習慣は向上してきている。
2.歯周疾患に関連する自覚症状については, 歯磨き時の出血と答えた者が18 .4%で最も高い割合を示した。
3.歯周疾患の進行と年齢の関連性については, 13歳で最高値を示した。また, 歯周疾患が進行するにしたがい,男子の占める割合が高くなった (X2-test: α<0.01) 。
4.口腔内診査の結果, 歯磨きの回数の減少と歯周疾患の進行の間には有意な関連性が認められた (X2-test: α< 0.001) 。
5.歯磨き時の出血と歯肉の腫脹の自覚症状と歯周疾患の進行との間に強い関連性が認められた (X2-test: α< 0.001) 。
6.プラークの付着, 歯石の沈着, う蝕および歯列不正の状態の悪化と歯周疾患の進行との間に関連性が認められた (X2-test: α<0.001) 。