日本泌尿器科学会雑誌
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膀胱腫瘍における Malignant potential の指標としての ABH-isoantigen PAP 法による染色パターンと予後
三枝 道尚那須 保友公文 裕巳松村 陽右大森 弘之
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1990 年 81 巻 2 号 p. 196-203

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抄録

初発表在性膀胱腫瘍54例について, PAP法にてBGAの染色を行い, 染色パターンの5型分類 (I, II, IIIa, IIIb, IV) とその予後との関連性について検討した.
再発率については, BGA陰性であるTypeIIIb, IV, ならびに疑陽性であるTypeIIIaが抗原陽性例 (TypeI, II) に比し有意に高く, Stage-up 症例はBGA陰性例 (TypeIIIb, IV) のみに認められた. 染色パターンは初発時と再発時とでは変動を示す症例も認められたが, 予後予測に関しては, 治療の影響を受けていない初発の時点で行うべきであると考えられた. BGAの抗原構造の差異より, A, B, AB型群とO型群の2群間でのBGAの染色性と予後との関連性を比較検討したが, 両群間に明らかな差異は認められなかった.

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