日本歯周病学会会誌
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歯周病原菌の酵素活性を指標とした迅速診断法 (SK-013)
酵素活性と臨床所見, ポケット内細菌との関係
大竹 徹桜井 千里栗原 千佳子南崎 信樹小林 誠宮下 元長谷川 紘司小林 哲夫佐藤 悦子杉田 典子奥田 一博柳村 光寛吉江 弘正原 耕二
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1990 年 32 巻 1 号 p. 241-248

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抄録

歯周病原性が疑われているBacteroides属, Treponema denticola等のペプチダーゼ活性を特異的かつ迅速に (15分間) 測定可能な酵素活性測定キットSK-013を用いてこの酵素活性と臨床所見, ポケット内細菌との関係を検索した。PD, GIなどの臨床診査指数および総菌数, Spirochete (S) 数, Motilerod (M) 数, M&S比と酵素活性は統計学的に有意に相関したがその相関係数はポケット内細菌との方が高い値を示した。また臨床担当医の総合的診断, Spirocheteの有無を基準としたSK-013のカットオフ値は0.2TryU/mlであり, その際の診断率はSensitivity: 92%, Efficacy: 96%と, 高い値を示した。これらのことからSK-013は, ポケット内細菌の多寡, Spirocheteの有無歯周炎の有無の診断を簡便にかつ迅速に行なえ, チェアーサイドでの有用性が高いことが示された。

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