日本歯周病学会会誌
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歯周病原菌の酵素活性を指標とした迅速診断法 (SK-013)
歯周初期治療の効果判定への応用
小林 哲夫佐藤 悦子杉田 典子奥田 一博柳村 光寛吉江 弘正原 耕二桜井 千里栗原 千佳子南崎 信樹大竹 徹小林 誠宮下 元長谷川 紘司
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1990 年 32 巻 1 号 p. 249-260

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抄録

本研究の目的は歯周初期治療の効果判定をより正確にかつ迅速に判定する方法としてSK-013kitによる酵素活性検査法が有用であるかどうかを評価することである。歯周炎罹患歯36歯に初期治療としてプラークコントロール (初診時), およびスケーリング, ルートプレーニング (4週目) を行い, その効果を臨床診査, 位相差顕微鏡による細菌検査, 並びにSK-013kitによる酵素活性検査を用いて評価した (6, 8, 12週目) 。プラークコントロー-ルでもスケーリングとルートプレーニングでも, いずれも細菌検査値, SK-013kit値は有意に減少したものの臨床所見で共通して有意に減少したのはProbingDepthのみであった。また, SK-013kit値と常時有意な相関が認められたのも細菌検査値のみであった。以上より初期治療効果を判定する際にSK-013kitによる酵素活性測定法は臨床的に非常に有用性の高い診断法であることが示された。

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