1990 年 19 巻 1 号 p. 435-438
現在、外部灌流クロスワインド中空糸膜型人工肺は6本の中空糸を束ねて巻き込むことにより生産されている。しかし、中空糸巻き込み本数(以下、フィラメント数)はモジュールに膜面積および流動状態の変化を与える。これらがガス交換能に与える影響は未だ検討されていない。今回、フィラメント数を1本から6本までと24本の外部潅流クロスワインド型人工肺を作成し、O2-水系実験、牛血液を用いたin vitro実験を行い、フィラメント数がガス交換能に与える影響を比較した。フィラメント数は従来の6本より少ない方が総括物質係数は増加したが、これは低充填率による流動の均一化と中空糸同志の接触面積の減少による有効膜面積の増加に起因する。また、X線CTにより、血液側の流動状態を観察した。フィラメント数3、6本の人工肺にはモジュール中心部にチャンネリンゲが観察されたが、フイラメント数1本では均一な流れが観察され、有効膜面積の増加が視覚的にも確認された。