1990 年 33 巻 Supplement5 号 p. 637-653
メキタジンシロップ剤1日0.06mg/kg, 0.12mg/kg及び0.24mg/kgの3用量について全国18の施設で175例の小児通年性アレルギー性鼻炎患者を対象に封筒法により至適投与量の検討を行い次の結果を得た。
1) 全般改善度において0.12mg/kg/日投与群の改善度は0.06mg/kg/日投与群のそれを有意に上回った。「中等度改善以上」の改善度においては0.06mg/kg/日投与群38.3%, 0.12mg/kg/日投与群67.4%, 0.24mg/kg/日投与群54.0%であった。
2) 副作用は0.12mg/kg/日投与群では56例中2例 (3.6%), 0.24mg/kg/日投与群では58例中3例 (5.2%) に認められたが, 0.06mg/kg/日投与群では認められなかった。発現した副作用はいずれも問題にすべきものではなかった。
以上より, 小児通年性アレルギー性鼻炎に対するメキタジンシロップ剤の至適投与量は0.12mg/kg/日投与が適切であると考えられた。さらに, 至適投与量と推察された0.12mg/kg/日投与群の鼻閉に対する改善率は65.8%と鼻閉に対し有効性も示唆された。