日本歯周病学会会誌
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歯周病原菌の酵素活性を指標とした迅速診断法 (SK-013)
-臨床的特異性とSK-013のカットオフ値-
大竹 徹高野 都喜子栗原 千佳子南崎 信樹宮下 元長谷川 紘司杉田 典子佐藤 悦子田井 秀明小林 哲夫吉江 弘正原 耕二磯田 竜太朗河井 敬久佐保 輝之小郷 秀司三木 靖夫岡田 宏
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1991 年 33 巻 1 号 p. 154-163

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抄録

歯周病原菌であるTreponema denticola, Bacterides属らのペプチダーゼ活性を特異的かつ迅速 (15分間) に測定可能な酵素活性測定キットSK-013を用いて歯周病検査薬としての臨床的特異性およびSK-013のカットオフ値について検索した。歯周炎, 歯肉炎, う蝕, 健常, 歯周組織炎罹患歯の歯肉溝から採取したプラークを用いたSK-013活性を検索した結果, SK-013は歯周炎罹患歯に特異的な活性を示した。スピロヘータ数を基準にSK -013のカットオフ値を検討した結果, 0 . 2 Try U/mlが最も高い診断率を示した。さらに, 段階的な標準色調を用いた肉眼判定を試みた結果, 分光光度計で測定した値と高い一致率 (Efficacy 93.3%) を得た。以上よりSK-013は, スピロヘータ数, 歯周炎の有無を計測機器を用いなくても簡便にかつ迅速に行なえ, チェアーサイドでの有用性が高いことが示された。

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