人工臓器
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HP透析器における逆濾過の抑制を目的とした透析器至適設計の検討
細矢 範行酒井 清孝
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1991 年 20 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

β2-MGを除去可能なhighly permeable membrane(HP膜)は従来の膜に比べて透水性が高いため、逆濾過が起こると指摘されている。しかし、逆濾過の起こらない透析器の至適設計についてはまだ十分に検討されていない。本研究では、透析器形状を変化させた透析器において逆濾過量を求め、逆濾過の抑制を目的とした透析器の設計について検討した。向流操作で逆濾過の起こりにくい透析器の至適設計を理論的に検討した結果、FB-190UGAおよびPAN-12CX2透析器では中空糸有効長を短かくして5cm、かつハウジング径を大きくして各々7.7, 8.8cmにすることによって逆濾過を完全に抑制できた。並流操作では、膜面積および中空糸長さ(L=25cm)を一定にして糸束率を増加させると、逆濾過量は極小値を持った。中空糸有効長を25cmに設定した場合、FB-190UGAおよびPAN-12CX2透析器において逆濾過量を完全に抑制できる糸束率は各々0.52, 0.62となった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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