日本歯周病学会会誌
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抗体産生関連リンパ球諸機能の歯周病病態への関わりの研究
高橋 慶壮永井 淳阿久津 功佐藤 暢彦高柴 正悟宮本 学滝川 雅之明貝 文夫葛城 教子橋本 俊明野村 慶雄村山 洋二
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1991 年 33 巻 3 号 p. 685-694

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抄録

歯周病患者の抗体産生に関連する免疫ネットワーク諸因子間の関わりを知ることを目的に, 歯周病原性細菌に対して低い血清抗体価を示す歯周病患者18名と高い血清抗体価を示す患者14名, および健常者18名について, 末梢血レベルにおける抗体産生能, 単核球サブセットの割合, およびT細胞と単球の機能を調べた。健常者群と比較して, 患者群はサプレッサーT細胞数の低下と抗体産生能の亢進を示す特徴を有していた。また, 調べた諸機能の亢進あるいは低下を示す被験者の割合は血清抗体価の高低に関わらず患者群に多かった。しかし, 調べた諸機能値はいずれも個体差によるばらつきが大きかった。体液性免疫応答に関連する個体のリンパ球因子間の関わりは, 個体毎に明らかにされなければならないと考えられる。

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