日本内科学会雑誌
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リウマトイド因子が著高を示したlgM-λ型M蛋白血症の1例
佐藤 賢武井 義和田中 伸幸湊 浩一竹沢 二郎小林 節雄
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1992 年 81 巻 2 号 p. 259-261

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抄録

症例. 74歳,女.血沈高度促進(1時間118mm)高γ-グロブリン血症の精査のため入院.血漿中単クローン性lgM増加(3.39g/dl).他の免疫グロブリン減少.眼底に軽度の静脈拡張がある以外,骨髄像正常で,リンパ節腫脹,肝脾腫,関節痛,骨病変, Bence-Jones蛋白尿いずれも認めなかった.なお, RF (59400IU/ml), RAHA (256000倍)と特異的に高値を示した.本例は慢性関筋リウマチに認められる関節症状やRF以外の他の血清学的異常を示さず,リウマトイド因子(RF)が単クローン性に著増したまれな例と考えられ,またRFの産生の機序と病態を考察する上でも興味ある症例と思われ報告した.

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