人工臓器
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濃度境膜抵抗に着目した透析器至適設計法の検討
青木 美貴阿波 加徹福田 誠金森 敏幸酒井 清孝錦戸 條二渡邉 哲夫伏見 文良
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1992 年 21 巻 3 号 p. 982-986

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抄録

従来の透析膜に比べより高い溶質透過性能を示すHighly permeable membrane(HP膜)の実用化により、総括物質移動抵抗に占める境膜物質移動抵抗の割合が増加している。血液側および透析液側境膜物質移動抵抗は透析器内部の流動状態に左右されるため、透析器の性能を向上させるためには流動状態の把握が不可欠となっている。
現在まで我々は膜性能および透析液側流動状態について研究し、多くの重要な知見を得ている1)。そこで本研究では血液側流動状態に着目し、血液側流量、中空糸内径および中空糸有効長が総括物質移動係数に及ぼす影響について検討した。その結果、中空糸有効長が23.5cmの透析器よりも19.4cmの透析器の方が溶質除去効率は高かった。総括物質移動係数および血液側境膜物質移動係数は血液側流量によって変化しなかった。また総括物質移動係数は中空糸内径によって変化しなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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