人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
新しい分析用血漿採取法の開発
桜井 裕小笠原 啓一酒井 清孝
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 3 号 p. 1148-1152

詳細
抄録

血液の生化学検査における検体の処理能力および検査精度を向上させるため、迅速かつ簡便な血漿採取法の開発を目的とし、基礎的な検討を行った。
中空糸血漿分離膜ミニモジュールを作製し、ポンプおよびシリンジによりミニモジュールに血液を流して血漿採取を試みた。得られた試料の評価には、ふるい係数および溶血度を用いた。
膜間圧力差100mmHg、壁ずり速度5000s-1、血液量11mlの条件下、ポンプにより血液を灌流する方法においては、有効長3.5cm、膜面積74.7cm2のポリエチレン膜ミニモジュールにより約14秒、シリンジにより灌流した場合には、膜面積37.4cm2のモジュールにより約75秒で2mlの血漿が得られた。溶血は許容範囲であり、生理的食塩水による希釈は、添加生理的食塩水量と血漿採取量から換算が可能であった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top