脂質分子膜で包まれたHb小胞体の酸素輸送効率を向上させるため、少ない層数(n)の分子膜で高濃度Hb溶液を被覆した小胞体調製が課題となる。層数(小胞体粒径200nmφ)と小胞体内のHb濃度([Hb]in)を測定する方法を確立し、調製条件との関係を解析した。その結果、Hb濃度増大に伴って[Hb]inは向上し、低温調製(4℃)により層数は低下しHb内包効率([Hb]/[Lipid]比)は向上する。また、この系は電解質系であるため、系のpHやイオン強度(塩濃度)の影響を受ける。[Hb]/[Lipid]比は等電点付近(pI=7.0)で最も高くなり、イオン強度が高くなると低下する。