肺癌
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進展期(III, IV期)肺癌症例の経過における皮膚転移の検討
玄馬 顕一大熨 泰亮上岡 博木浦 勝行田端 雅弘柴山 卓夫松村 正近森 正和木村 郁郎平木 俊吉
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1993 年 33 巻 6 号 p. 865-869

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抄録

1976年から1991年の16年間に当科に入院し, その全経過をほぼ観察し得たIII, IV期肺癌468例のうち21例 (4.5%) に皮膚転移を認めた. 組織型別にみると, 腺癌179例中12例 (6.7%), 小細胞癌159例中6例 (3.8%), 扁平上皮癌86例中3例 (3.5%) であった. 皮膚転移巣の形態としては, 結節型が単発性3例, 多発性14例の計17例を占め, 丹毒様癌・鎧状癌がそれぞれ2例に認められた. また, 8例では皮膚転移を初診時に認めたが, 同時に全例に他臓器への転移を認めており, 皮膚転移は全身への転移の-症状と考えられた. 皮膚転移出現後の生存期間は, 0.8カ月から14.9カ月, 中央値3.6カ月と予後不良であった.

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