人工臓器
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電気化学発光フローセルを用いた体液中抗体連続定量法の開発
氷見 直之吉見 靖男酒井 清孝
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1994 年 23 巻 2 号 p. 523-526

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抄録

手術後の感染症などによる血中抗体量変化のモニタリングを目的とした、抗体連続定量法を開発した。現在の抗体定量法は、煩雑な操作を伴うため、連続化は困難である。そこで我々はルミノールの電気化学反応により生ずる発光(電気化学発光)と抗原抗体反応を利用した連続定量が可能なセンサーを開発した。測定は、導電性ガラスを電極としたフローセルを用いた。
予めルミノールを標識したヒト血清アルブミン(HSA)溶液に、0.0~2.2mg/mlの濃度の抗HSA抗体を加え、発光強度から抗体量を推算した。発光強度は抗体濃度の増加に伴い直線的に上昇した。これは発光反応を陰極で行う場合にのみ確認される特別な傾向である。
本法により、体液中から、特定の抗原に対して特異的に反応する抗体のみを定量できると考えた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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