人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
高効率治療における透析排液濃度からの血中溶質濃度の推算
石井 亜佐了小久 保謙酒井 清孝三浦 明鈴木 利昭
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 23 巻 2 号 p. 417-422

詳細
抄録

透析排液中の溶質濃度から血中溶質濃度が推算できれば、透析のたびに患者個人個人の詳細なデータを得ることができる。そこで、8名の安定期透析患者を対象に血中および透析排液中の尿素、リン酸イオン、クレアチニン、尿酸の濃度を測定し、血中溶質濃度の推算精度について検討した。あらかじめ定めた見かけの体液量を用いると、尿酸など1-poolモデルに従わない溶質でも、見かけ上1-poolモデルで精度よく推算できた。リン酸イオン以外の溶質については、1、2ヶ月の間見かけの体液量に変化がなかったことから、見かけの体液量を用いて血中溶質濃度を正しく推算できると考えられた。また、見かけの体液量は溶質ごとに特徴があり、尿酸はどの患者についても少なく、リン酸イオンは人により大きく異なった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top