1994 年 14 巻 4 号 p. 329-333
硬膜外カテーテルの固定法として,ドライタイプドレッシングが感染回避に有効であるか否かを検討した.対照としては,ドライタイプではないフィルムドレッシングを用いた.対象は,開腹術を受けた成人患者140名であり,at randomにいずれかの固定法を用いた.前者(dry type群)は86名,後者(対照群)は54名であった.術後4または5日目にカテーテルを抜去し,カテーテルの先端について,細菌培養を行なった.細菌検出率は,dry type群では,1.2% (1/86),対照群では,11.1% (6/54)であり,両者には統計学的に有意差が認められた.以上の結果により,硬膜外カテーテルの固定法として,ドライタイプドレッシングの使用は,カテーテルの細菌汚染防止に関して有利であることが判明した.