人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
One Bag方式Push/Pull HDFにおける溶質除去特性
佐々木 淳峰島 三千男金子 岩和佐中 孜阿岸 鉄三太田 和夫小野 信行今村 和夫酒井 清孝
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 24 巻 3 号 p. 664-669

詳細
抄録

One Bag方式のPush/Pull HDF (P/P HDF)における溶質除去特性を水溶液系実験および理論解析を通じ明らかにし、最適操作条件の確立を目的とした。定常状態のpush phase、pull phaseでの濾過流量(QPull、QPush)とクリアランス(CL)の関係を求めた結果、myoglobinではQPullの増加に伴いCLは急激に増加し、QPushの増加に伴い緩やかに減少した。ureaでは逆の、vitamin B12では両者の中間的な傾向を示した。時間平均クリアランス(CLav)はureaで若干HDが、myoglobinでP/P HDFが高値を示した。さらに、浄化器内物質移動非定常モデルを用い検討した結果、非定常の影響によりmyoglobinのCLはpush phaseで負の値を有することが明らかとなった。本モデルを用いmyoglobin除去に関して最適操作条件を検討した結果、QPull、QPushおよびBag容量が大きいほどCLavが上昇することが明らかとなったが、現実的には患者血流量など安全面でのかねあいで設定されるものと思われた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top