昭和歯学会雑誌
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クラウン・ブリッジの統計的観察-平成6年度分について
小嶋 智子吉野 諭梅澤 正樹今井 英一山内 真紀子安田 昌弘船登 雅彦川和 忠治
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1997 年 17 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

本研究は, 平成6年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台数の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1,357個で, クラウンが1,163個 (85.7%), ブリッジが194個 (14.3%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠592個 (50.9%) であった.次いで陶材焼付鋳造冠303個 (26.1%), レジン前装鋳造冠193個 (16.6%) であった.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にわたるものが, それぞれ約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたるもの, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった.6.クラウンにおける保険診療は67.5%であり, ブリッジにおいては64.9%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は90.1%, インプラント支台は1.0%, ブリッジにおいては無髄歯が72.5%であった.

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