ヒト屈曲反射の痛みの指標としての妥当性を検討し、この反射を指標として熱刺激の効果を検討した。健康成人9人 (26±8歳) において、腓腹神経を経皮的に電気刺激して得られた大腿二頭筋の誘発筋電図の振幅は、刺激強度および痛み感覚の強さにそれぞれ有意な相関があった (r=0.791、P<0.01;r=0.724、P<0.01) 。また、屈曲反射の振幅を指標として屈曲反射導出側の対側の手に46-480Cの熱刺激を加えると、振幅は減少傾向を示した。C統計量を用いた解析では有意な傾きを示す例が認められたが、群間比較法においては統計的に有意ではなかった (P=0.678) 。これらの結果から今回用いた屈曲反射は痛みの指標として有用であり、C統計量も効果の判定に有用であると考えられた。