北関東医学
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豊胸術後の乳癌に対して乳房温存療法を施行した1症例
高他 大輔飯野 佑一堀口 淳長岡 弘武井 寛幸長沢 雅裕前村 道生堀井 吉雄松本 弘志吉田 美穂五十嵐 清美横江 隆夫小山 徹也中島 孝森下 靖雄
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キーワード: 豊胸術, 乳癌, 乳房温存療法
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1998 年 48 巻 5 号 p. 363-366

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抄録

症例は52歳の女性で, 45歳時に両側の豊胸術を受けた.平成7年10月, 右乳房に1cm大の腫瘤を触知し当科を受診した.諸検査の結果乳癌を疑い, 摘出生検で乳癌の確定診断を得た.平成8年1月, シリコンバックを合併切除する乳房温存術を施行した.病理組織学的には乳頭腺管癌で, リンパ節転移もなく完全切除であった.術後残存乳房に対して合計50Gyの放射線療法を行った.術後2年経過した現在再発の徴候なく健存中である.豊胸術後の乳癌は肉芽腫形成のため進展範囲を把握できず, 乳房切除となることが多い.今回, 豊胸術後の乳癌を早期に発見し, 乳房温存療法を施行し得た稀な症例を経験したので報告した.

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