体外循環技術
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生体適合性材料を使用した開心術体外循環の検討
山田 哲也小山 富生片山 浩司高木 理守玉木 修治村山 弘臣加藤 紀之成田 裕司横手 淳六鹿 雅登
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1998 年 25 巻 1 号 p. 21-24

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抄録

要旨人工肺,遠心ポンプ,回路チューブに対して,生体適合性処理の施された材料と従来の材料とを比較検討し,生体適合性材料を使用した体外循環の有用性を検討した。対象は,待機的に行われた成人開心術症例17例を,生体適合性材料を使用しなかったもの9例(CABG 7例, DVR2例)をNC群,生体適合性材料を使用したもの8例(CABG 7例,AVR 1例)をHC群とし比較検討した。おのおのの群について麻酔導入後および体外循環開始後10分, 60分,体外循環終了時の, FPA値(fiblinopeptide A), C3a値,顆粒球エラスターゼ値,血小板数,血小板凝集能,β-TG値,血漿ヘモグロビン値を測定し, 2群間の比較を行った。なお血小板数は帰室時,第1病日,第2病日の比較も行った。その結果,比較したすべての検査値において生体適合性材料の優位性を示す統系学的有意差は認めず,生体適合性材料の有用性は確認されなかった。

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© 日本体外循環技術医学会
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