AUDIOLOGY JAPAN
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最適中耳換気チューブ留置法の検討 -理論的考察-
小池 卓二和田 仁小林 俊光高坂 知節
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1998 年 41 巻 6 号 p. 740-745

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抄録

滲出性中耳炎の治療には多くのタイプの中耳換気チューブが使われている。 これらのチューブは, 主に長期留置を目的としてデザインされており, チューブのタイプが中耳伝音特性に及ぼす影響に関する報告は少ない。 本研究では, 独自に開発した有限要素法のプログラムを適用し, ヒトの中耳モデルを構築した。 そして, 中耳換気チューブの材質および留置位置が, 中耳伝音特性に及ぼす影響を解析した。 その結果, 以下の知見が得られた。 (1) チューブの材質として, シリコンなどの軽いものが適している。 (2) 軽量なチューブを用いた場合は, 留置位置の違いによる影響は小さい。 比較的重いチューブを使用する場合は, 鼓膜前下象限に留置すると良い伝音特性が得られる。

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© 日本聴覚医学会
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