感染症学雑誌
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Human papillomavirus感染症診断におけるhybrid capture法の有用性
久保田 武美石和 久鈴木 正明宇津野 栄猪狩 淳
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1998 年 72 巻 11 号 p. 1219-1224

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抄録

非放射線の液相ハイブリダイゼーションを用いたDNA診断法であるHybrid Capture法についてHuman papillornavirus (HPV) 感染症診断における有用性を検討した.検体は子宮頚部あるいは外子宮口をスワブで擦過することにより得られた.中-高リスク型 (Probe B) に属するHPVの陽性率を求めた結果, 細胞診Class IあるいはIIの婦人では13/9%(23/166) が, また, 細胞診Class, V, Vの婦人では70.6%(48/68) が陽性を示した (P<0.0001, Fisherの直接法).子宮頚部上皮内腫瘍の認められない例では29.0%(18/62) が, また, 子宮頚部上皮内腫瘍あるいは子宮癌例では78.6%(44/56) が陽性を示した (p<0.0001, Fisherの直接法).Hybrid Capture法とPCR法との比較 (n=217) において陽性一致例は74.6%, 陰性一致例は92.7%と良好であった.Hybrid Capture法は臨床におけるHPV感染症診断に有用であることが示唆された.

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© 日本感染症学会
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