感染症学雑誌
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膠原病患者のカリニ肺炎予防に対するSulfamethoxazole-Trimethoprim (ST) 合剤の有効性
岡田 純角家 明文ラナ 美代子石川 章飯国 弥生近藤 啓文
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1999 年 73 巻 11 号 p. 1123-1129

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抄録

膠原病患者のカリニ肺炎予防に対するSulfamethoxazole-Trimethoprim (ST) 合剤の有効性と副作用を検討した. プレドニゾロン換算で40mg/day以上を服用した84例を対象とした. カリニ肺炎の危険因子 (リンパ球減少, 間質性肺炎) のいずれかがあった場合, ST合剤の投与 (1ないし2錠/day) を37例に行った. ST合剤を服用しなかった47例を対照とした. カリニ肺炎はST合剤非投与群で43%に認められたが, 投与群での発症はなかった. ST合剤1錠投与群 (11例) では, 副作用の発現はなく, 2錠投与群 (26例) の19.2%に比べ有意に少なかった (p<0.05). 検査値異常は, ST合剤1錠投与群では36.4%, 2錠投与群では364%と両群で差はなかった. 以上より, ST合剤投与は, 膠原病患者のカリニ肺炎の予防に有効であり, ST合剤の1錠投与は副作用も少ない可能性が推測された.

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