日本細菌学雑誌
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ガス壊疸菌群のコラゲナーゼに関する研究
松下 治
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1999 年 54 巻 4 号 p. 753-761

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抄録

二種のガス壊疸起因菌Clostridium perfringens, C. histolyticumから計三種類のコラゲナーゼを精製した。それらの構造遺伝子を解析したところ,予想一次配列にセグメント構造(S1, S2, S3)が認められた。N末端側のS1には金属プロテアーゼに共通なモチーフ(HEXXH)が存在していた。C末端側のS2, S3には重複が認められ,酵素により重複パターンが異なっていた。C. histolyticumの酵素の一つColHを用いて構造活性相関の解析を試みた。N末端側のS1のみからなる組換え酵素が水解活性を示したので,S1は触媒ドメインを形成すると考えられた。単離C末端領域が不溶性コラーゲンに結合することから,この領域はコラーゲン結合ドメイン(CBD)を形成すると考えられた。CBDを用いて細胞成長因子をコラーゲンにアンカーリングし,局所で長時間作用させることができた。CBDの構造が新しい薬物送達システム(drug delivery system, DDS)の開発に応用できる可能性が示された。

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