新生児・未熟児医療の進歩により病的新生児の救命率が著しく向上している。それに伴って,生来的に未熟な新生児腎臓もまた周生期疾患の標的臓器の1つとして注目されている。本稿では,これまであまり着目されていなかった新生児の尿中マーカーの解釈と臨床応用について論じた。すなわち,新生児期を早期と後期に分割し,それぞれの時期で臨床的意義の高いマーカーを列挙し,概説した。実地臨床の場で尿中マーカーを十分に活用することができれば,病的新生児の腎機能あるいは栄養・代謝状態を的確に評価することが可能になる。病的新生児に対するless invasive careとintact survivalの向上の観点から,小児科医のこの方面への関心が深まることが期待される。