心電図
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心内膜マッピングで左室側に最早期興奮部位を認める左脚ブロック下方軸の特発性心室頻拍の臨床的特徴
田口 敦史鎌倉 史郎相原 直彦栗田 隆志須山 和弘清水 渉松尾 清隆
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1999 年 19 巻 3 号 p. 278-283

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抄録

左脚ブロック+下方軸型特発性心室頻拍 (VT) 症例で, 左室側に最早期興奮部位を認める症例の臨床的特徴を検討した.対象は左脚ブロック+下方軸型の特発性心室頻拍59例.全例に心内膜マッピングを施行し, うち9例で最早期興奮部位を左室流出路側に同定できた.これらの症例 (LV群) の臨床的, ならびに電気生理学的諸指標を右室流出路に起源が同定できた症例 (RV群) と比較検討した.LV群は, 男性8名, 女性1名で, 有意に男性が多かった.またVT rateは有意に遅く, 臨床的に30秒以上の持続型VTが認められる症例が多かった.年齢・自覚症状はRV群と差異を認めなかった.心内膜側での頻拍時の最早期興奮部位はLV群9例中6例でLCC側, 3例ではRCC側に推定された.また3例では大心静脈内から心外膜マッピングを施行できた.うち2例で心外膜側が心内膜側よりも早期に興奮しており, 心外膜側に頻拍の起源が推定された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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