1999 年 41 巻 2 号 p. 195-200
日本歯科大学新潟歯学部の学生および職員から無作為に抽出した101名に対し, 口腔内の揮発性硫黄化合物の濃度を測定する口臭測定器Model RH17Eハリメーター®(Interscan社, 米国) を用いて口臭測定を行い, 口臭の官能試験と比較することにより, その有用性について検討した。また, 同意の得られた者13名に対し口腔内診査を行い, 口臭と臨床的パラメータの関連についても検討を行った。その結果,
1) 官能評価値に対するハリメーター値の範囲に重複が認められるため, ハリメーターのみで口臭の程度を判別することは困難であると思われたが, 官能評価値とハリメーター値は対応する傾向があり, 本口臭測定器はチェアーサイドにおいて使用しうると考えられた。
2) 臨床的パラメータとハリメーター値はすべての指標において相関関係は有意ではなかった