1999 年 88 巻 10 号 p. 1896-1903
Sjögren症候群は涙腺,唾液腺を標的とする臓器特異的自己免疫疾患であるが,全身性自己免疫疾患としての特徴も有し,少数例に悪性リンパ腫を発症するという興味深い疾患である.腺局所ではTリンパ球の活性化は導管上皮細胞による抗原提示とCD80分子による第2シグナルの刺激を通じて行われ,活性化Tリンパ球によるCD40L-CD40相互作用がBリンパ球の活性化と自己抗体産生に決定的な役割を果たしていると考えられる.リンパ上皮性病変はこのような反応の場であり,唾液腺リンパ腫の発生母地となるのであろう.