人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
冠動脈ステントの力学的挙動試験
梅津 光生堀切 芳一岩崎 清隆藤本 哲男
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 29 巻 1 号 p. 99-104

詳細
抄録

多種の臨床用冠動脈ステントに対して同一条件下でのin-vitro試験を行い, そこで得られた力学的特性データをもとに, 冠動脈ステントの性能評価方法の確立を目指した。まず, 生体冠動脈と同等のヤング率を有する内径3mmのシリコンチューブを用い, ステント拡張直後のバルーン収縮に伴う径の変化率 (elastic recoil) および, チューブ外側の加圧に伴う径の変化率 (radial strength) を測定した。その結果, recoilは, 最大で6%程度の変化に留まり, radial strengthは0-200rnmHgの範囲では直線的に減少したが, 最大でも5%程度の低下であった。次に, 生理的な冠動脈圧, 流量が再現できる人工冠循環モデルを製作し, 拍動下におけるステントの外径変化を測定した。その結果, 径の変化率は最大1.5%で冠動脈流量と同期するように変化することが分かった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top