人工臓器
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エンドトキシン濃度インラインモニタリング装置の開発
分離型リムルス試薬を用いて
松田 靖子宮坂 武寛酒井 清孝田中 重則
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2000 年 29 巻 1 号 p. 151-156

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抄録

透析液管理が問われる中, エンドトキシン除去法と同時に, インラインでのエンドトキシンモニタリング法の確立が求められている。我々は, リムルス試験法を用いたインラインモニタリング装置の開発を進めており, 反応時間30minで検出下限40EU/lのモニタリングを可能にした。しかし, 実際にはさらに低濃度域での検出感度が要求され, 感度上昇が課題であった。そこで, 感度に影響する試薬分散を制御し, さらに外部からのエンドトキシンによる汚染を効果的に防止するため, 6連バルブ型インラインモニタリング装置を新たに考案した。フローインジェクション分析法に基づき, 本装置の分散特性を調べ, 中程度の試薬分散を持つように設計した。この条件下で反応生成物の吸光度を測定し, 検量線を作成したところ, 反応時間20minにおいて, 0~125EU/lの範囲で良好な直線関係が得られた。本装置は, インラインでの測定が可能であり, 安全で快適な透析治療に大きく貢献すると考える。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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