人工臓器
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EVM (Epifluorescent Video Microscopy) を用いた光不透過材料の抗血栓性相対評価システムの開発
野口 剛志野尻 知里城戸 隆行杉山 知子酒井 清孝
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2000 年 29 巻 1 号 p. 203-208

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抄録

我々は既にEVM (Epifluorescent Video Microscopy) を利用したIn vitroでの血液流動下における抗血栓性相対評価システムを開発し, それを用いて材料の抗血栓性相対評価を行ってきた。本研究では, 従来の評価系では不可能であった金属材料等の光不透過材料の評価を可能にした新たな抗血栓性評価システムを開発し, 実際に数種の金属材料の評価を行った。その結果, 共有結合型ヘパリン処理を施した金属表面は基材自身より有意に血小板粘着率を低下させた (p<0.05)。また, 未処理の材料間では有意な差が見られなかった。このことからヘパリン固定化処理が, 金属材料表面への抗血栓性表面改質処理として有効であることが示唆された。そしてこのシステムを用いることで, さらに多様な医療材料の抗血栓性相対評価が可能であると考えられる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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