2000 年 89 巻 6 号 p. 1087-1092
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は血.小板に対する自己抗体により血小板破壊が亢進し,血小板減少症をきたす自己免疫疾患である.最近の研究成果により,抗血小板抗体の産生には血小板膜糖蛋白を認識する自己反応性CD4+T細胞,抗血小板抗体産生B細胞,網内系マクロファージが中心的な役割を果たしていることが明らかにされた.これらの知見はITPの診断や活動性の評価に有用で,さらに抗血小板抗体産生にかかわる免疫機構を人為的に制御する新たな治療法の開発への応用の可能性もある.