日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
糖尿病性腎症の診断と治療
槇野 博史四方 賢一和田 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 90 巻 2 号 p. 350-358

詳細
抄録

我が国に多い2型糖尿病では腎症を蛋白尿・腎機能の面より5期に病期分類している.糖尿病性腎症は第3期の顕性腎症を過ぎると大多数は進行性であり,慢性腎不全に陥り,予後不良である.従って腎症を早期に診断して,充分な治療を行い腎症が進行しないようにすることが重要である.現在のところ微量アルブミン尿が早期腎症の診断の確立されたマーカーであるが,筆者らの研究が契機となり開発された尿中IV型コラーゲン測定法の臨床応用が可能となり,腎症のより早期の指標となるのではないかと期待されている.一方腎症の治療においては血糖・血圧の厳格なコントールと蛋白制限食が原則である.膵移植後10年で結節性病変が治癒した報告がなされたが,これは我々に血糖コントロールの重要性を再認識させるものである.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事
feedback
Top