心電図
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ST-T波coved型ST上昇とsaddle-back型ST上昇
相原 直彦稲垣 正司高木 雅彦田口 敦史須山 和弘清水 渉栗田 隆志鎌倉 史郎
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2001 年 21 巻 4 号 p. 421-428

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抄録

加算平均心電図法を用い, V1, V2, V5誘導にて, Naチャネル遮断薬投与時の心電図変化を検討した, Brugada症候群ではNaチャネル遮断薬投与によりSTは右側前胸部誘導に限局して上昇した、コントロール群では有意なSTの上昇は認められなかった.高周波領域心電図信号であるQRS幅は各誘導で延長したが, 特にV2誘導でのQRS幅の延長が大きかった.Brugada症候群のT波波高は, 低下するもの (coved: 入江型群) とそれ以外のもの (saddle-back: 鞍背型群) に分類された, Naチャネル遮断薬投与後のQRS幅, QRS幅の変化量は, coved型群, saddleback型, コントロール群の順に大で, T波波高減高とQRS幅の延長に関連が認められた.以上より, Brugada症候群では, 右側前胸部誘導に相当する部位に限局した脱分極障害と再分極障害の両者が存在し, その両者は互いに関連している可能性が考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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