日本緑化工学会誌
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田上山砂防植栽地における広葉樹緑化試験について
石丸 香苗大澤 直哉武田 博清
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キーワード: 広葉樹, 裸地, 生存率
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2001 年 27 巻 1 号 p. 283-285

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抄録

田上山砂防植栽地において, 広葉樹4種 (アラカシ, コナラ, ヤマモモ, ヒメヤシャブシ) の植栽を行った。5年後の生存率はヤマモモ, コナラ, アラカシについて, , 85%, 82%, 72%であったが従来から肥料木として用いられてきたヒメヤシャブシは31%と最も不良であった。4樹種ともに1年目の死亡率が特に高かったが, 樹冠面積は植栽後5年でほぼ1m2に達していた。これらの結果から, 4樹種ともに植栽後1年目に活着さえすれば従来クロマツで行われてきた風化花闇岩の裸地山腹緑化に植栽樹種として期待できることが示唆された。窒素固定能を持つヤマモモとヒメヤシャブシは非窒素固定のコナラ, アラカシに比較して測定したいずれの項目についても高い値を示した。特にヤマモモは肥料木の機能を兼ね備えた植栽木として風化花崗岩土壌の砂防緑化に用いられることが期待出来る。

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