心電図
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Brugada症候群患者における心室細動と再分極相の関係―器質的心疾患患者と比較して―
里見 和浩栗田 隆志田口 敦史清水 渉須山 和弘相原 直彦鎌倉 史郎
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2002 年 22 巻 2 号 p. 135-143

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抄録

Brugada症候群9例, および心室細動 (VF) を合併した器質的心疾患患者5例において, 植え込み型除細動器に保存されたVF発症時の心内電位記録を比較検討し, この2群のVF発症と再分極過程の関連を検討した.Brugada症候群においては, 器質的心疾患患者におけるVFに比較し, VFを誘発する心室期外収縮 (PVC) の連結期は短く (Brugada群: 360±52msec, 器質的心疾患群: 446±91msec, p<0.01) またこの連結期とR-R間隔はより密接に関連していた.またBrugada症候群では, このR-R間隔で補正した連結期 (385±40msec) と安静時の補正QT時間 (420±30msec) との比較から, 比較的遅い時相で出現するPVCからVFに移行することが示された.Brugada症候群におけるVFはある特定のPVCから開始し, その発生の時相はT波後半成分に相当し, 再分極過程と密接に関連していると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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