2002 年 15 巻 5 号 p. 513-521
岡山における日雨量データを対象に統計的解析を行い,日降雨特性の経年変化を調べた,降雨日が連続する期間の降雨量をひと雨雨量と定義し,年最大ひと雨雨量の確率年の変化を調べた結果,1899~1931年の100年確率のひと雨雨量255.8mmは1965~1997年では確率年が7.6年となり,発生頻度がほぼ13倍になっていることが分かった.また,ひと雨とひと雨との間の連続無降雨期間について同様の解析を行った結果,1899~1931年の100年確率の連続無降雨期間35.5日は1965~1997年では確率年が19.7年となり,発生頻度がほぼ5倍になっていることが分かった.これらの結果は,水工施設を設計・建設する際に,設計の対象とする水文量の取扱に十分注意する必要があることを示している.