農業機械学会誌
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タイの稲作におけるコントラクタ農業の展開 (第2報)
稲収穫コントラクタの活動実態
瀧川 具弘バハラヨーディン バンチョー小池 正之ウサボリスット プラティアン
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2002 年 64 巻 5 号 p. 60-67

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抄録

タイ製コンバインを用いた稲収穫作業受託者の役割と活動状況についてタイ国中央平原の Nong Pla Mor 区での聞き取り調査結果を中心に報告した。タイ製コンバインは普通コンバインの一種で, 価格は輸入製品に比べ安価であった。このコンバインは, 1990年代初めから普及し始め, 現在は約3,000台程度が稼働している。収穫作業委託は, 経費が安価で, かつ適期に短時間で作業が実施できる点で評価されていた。Nong Pla Mor 区では後継者がいる農家は少なく, 将来はコントラクタへの作業全面委託を選択肢と考える農民が多かった。この種のコントラクタは100km以上に及ぶ地域を移動しながら年間7月以上にわたって受託収穫作業を行っていた。このような広範囲での活動は, 作業受委託を仲介する地域の実力者でもある仲介者 (タイ国でナイナーと称する) によって支えられていた。

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