屋上緑化による建築物への熱環境の改善効果の定量化を目的に、表面温度、地温、熱流の測定を実施し鳥その結果、断熱層上面地温とスラブコンクリート下面表面温度の温度差と断熱層の熱流との間に高い相関がみられ、簡単な時間補正のみで、精度良く熱流を推定できることが分かった。そこで、1997年から2001年までの温度データを用いて熱流の推定を行った。夏期の7、8月の期間について4年間を平均してみると、緑化区の屋上面から下向きの最大熱流は非緑化区の最大熱流の7.3%に抑制されていた。また、冬期の1、2月の期間について4年間を平均してスラブコンクリート面から屋上面へ向かう上向きの最大熱流を比較したところ、緑化区の最大熱流は非緑化区の最大熱流の59.0%に抑制されているという結果になった。