日本臨床外科学会雑誌
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細径胸腔鏡下に摘出した胸壁神経鞘腫の1例
栗栖 純穂安藤 幸二平 泰彦山村 卓也高桑 俊文長田 博昭
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2002 年 63 巻 10 号 p. 2406-2409

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抄録

症例は40歳,男性.検診にて胸壁腫瘍を指摘され手術目的で入院となった. MRI所見より長径約2cmの神経鞘腫と術前診断し3mmの細径胸腔鏡下に腫瘍摘出を行った.術後病理診断はAntoni A型とB型が混在する胸壁神経鞘腫であった.胸壁発生の神経鞘腫は比較的稀な疾患である.良悪性の術前診断は困難であり,いずれにしても外科的摘出が唯一の治療法である.本例のように腫瘍径が小さい症例は,低侵襲下の診断および治療が同時に行える胸腔鏡下手術が良い適応となる.今回われわれは, 3mmの胸腔鏡と3mmの鉗子を用いた細径胸腔鏡下手術を行った.細径器具には操作上の不利が指摘されているが,術中操作に全く不具合はなく,容易に腫瘍を摘出しえた.今後胸腔鏡下手術はますます増加するであろうが,症例毎に可能な限り細径器具を用いて手術の低侵襲化を意識することが必要であると考える.

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