2003 年 13 巻 1 号 p. 77-88
今後大量に廃棄されると考えられる薬剤処理木材には, 各種化学物質が残存していると考えられる。廃木材リサイクリングルートにおけるそれらのヒト健康リスクを評価するため, 曝露ポイントとして, 廃木材の1) 切断作業, 2) 室内利用をあげ, 経気道・経口曝露ルートによるガス状・粒子状の重金属類 (Cr, Cu, As) , PCP (ペンタクロロフェノール) , PCDD/DFs (ダイオキシン類) 及びPAHs (多環芳香族炭化水素) の曝露解析を行った。その結果, 廃木材切断作業や室内利用に伴う経気道及び経口での化学物質曝露量が日常レベルを大きく上回るほか, 継続的な曝露がヒト健康へのリスクを発癌リスク10-4にまで高める可能性が示唆された。