PCB廃棄物の保管継続と処理促進とのリスクを比較した。モニタリングデータとモデル推定値との比較より, 保管継続に伴うPCB放出量の上限は, 土壌排出でPCB不明・紛失量と同程度, 大気および水系排出でその1/10程度と推定された。Co-PCB個人曝露量は, 保管継続時の上限が数pg-TEQ/人/日であり, 処理促進時は処理施設周辺で0.1~0.7pg-TEQ/人/日, その他国内でさらに2~4オーダー低く推定された。人口を乗じた曝露総量では施設周辺以外の比率が高く, 国外も数割を占めた。地域別の個人曝露量および曝露総量の推定結果は, 局地的な効果と大局的な効果の双方を考慮することの必要性を示唆した。