人工臓器
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全自動透析システムの開発
五十嵐 健竹沢 真吾峰島 三千男酒井 清孝和田 孝雄中西 光井上 政昭
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1982 年 11 巻 6 号 p. 1061-1064

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抄録

透析によって除去される溶質は、すべて透析液中に廃葉される。したがって、透析液濃度を経時的に測定することにより溶質除去量を知ることができる。また、プールモデルを適用することにより、透析液濃度変化から体内血中濃度変化を推算することができる。そこでON LINEで透析尿素濃度を測定し、血中尿素濃度を推算するシステムを開発すべく、水溶液・牛血を用いた透析実験及び臨床試験を行なったところ、各々高成績が得られた。本装置は、全自動透析システムWADIC (WASEDA Automatic Dialysis Controller)第一段階であり、治療の評価を行なう上で最も重要なセンサー部を構成している。血液を一滴もサンプルすることなく血中尿素濃度をREAL TIMEで推定できるため、治療中に初期・終了時尿素濃度、クリアランス、溶質総除去量なども推算し、同時に表示させることが可能である。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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