1983 年 12 巻 1 号 p. 137-140
血漿交換療法に用いられるプラズマセパレーターでは、種々の中空糸を用いたものが開発されているがそのほとんどのものが、湿式法で製膜されたものである。今回開発されたポリエチレン中空糸膜は、熔融紡糸法と呼ばれる新しい製法によるものである為にその膜表面上の孔形が短冊形状となつている。しかも、中空糸内を流れる血液の流れる方向に対して長軸方向が一致している構造的特徴がある。これと他の種々の膜とを比較評価した結果、その孔形状と操作条件による溶血とに関連があり、ポリエチレン中空糸膜の孔形状が有利である事が認められた。