人工臓器
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中空線維型モジュールの至適形状
酒井 清孝
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1983 年 12 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

中空線維型モジュールの設計はほとんどが経験的に行なわれており、試行錯誤法が有力な手段となっている。そこで溶質除去能、血液側圧力損失ΔPB、プライミングボリュームVBの観点から、モジュール内溶質移動モデルを用いて中空線維型モジュールの至適形状について検討したところ、次の事柄が判明した。中空糸内径は約200μ、有効長は約160mmが適当である。これらの値は溶質除去能よりむしろΔPBおよびVB値の制約から決定され、さらに血液および透析液流量、ヘマトクリットによって変化する。濾過における除水能の場合と異なり、透析における溶質除去能は、膜面積一定の時中空糸本数が少なく、有効長の大きい方がすぐれている。中空糸内径の製作上の誤差および中空糸閉塞率の影響は、中分子量物質の除去、ΔPB、VBにおいて大きい。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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